home > ワイン醸造家のブログ

ワイン醸造家のブログ


2011年12月05日

2011.12.05 Monday

フェルミエ通信

 fermier%E9%80%9A%E4%BF%A12.jpg
 フェルミエの会員様向け会報誌「フェルミエ通信 2011冬号」を作成しました。フェルミエのぶどう栽培やワイン造りについてレポートする内容ですが、今回は、アルバリーニョの取り組みや、野生酵母との向き合い方、酸化防止剤の使用に対するフェルミエの姿勢などについて書いてみました。フェルミエのそれぞれのワインについても、造り手の立場からコメントしております(限られた紙面で全てお伝えするには限界があるんですが…)。

 単なる商品パンフレットではなく、フェルミエのワインに込められた想いをお伝えできればと思っております。


2011年11月03日

2011.11.03 Thursday

マリアージュ(その1) 新潟応援オーナー制度

WINK8627prit.JPG

日本海の海の幸など食材の宝庫新潟。フェルミエは、ワインの楽しみ方の一つとして地元新潟や独特の四季の風土・食文化をもつ日本の食材とフェルミエのワインとのマリアージュを提案しています。

フェルミエ独自の会員制度「新潟応援オーナー制度」(http://fermier.jp/campaign/owner.php)では、ぶどうの樹のオーナーとなって頂いた会員様に、新潟の食材(ワインと合わせる簡単なレシピ付)を年2回お届けしています。

さざえ、佐渡牛(各地のブランド牛となる仔牛)、アワビ、ル・レクチェ(新潟特産の西洋ナシ)、牡蠣などがこれまでの実績です。
いずれも、新鮮な素材を産地直送でお届けします。素材だけで召し上がっていただいても、日本酒と合わせても美味しいのですが、日本酒王国の新潟から敢えてワインとのマリアージュの提案です。

今月は、”海のフォアグラ”と称される佐渡沖のアンコウの肝(手造り)と切り身(フリットかアンコウ鍋をご案内します。)を樽熟成の「フェルミエ シャルドネ」と一緒にお届けします。フリットはお手持ちがあればアルバリーニョが、アンコウ鍋はロゼがおすすめ。会員の皆様、お楽しみに!

有難いことに、この取組に対して、飲み食いすることが好きで、好奇心旺盛な子供がそのまま大人になったような、おせっかいな会員さんからたくさんのアイデアを頂戴します。そして、実際に私自身がその食材やワインとの相性を試してみるという機会に恵まれ、大変幸せです。
悩みは、食材はいずれも自然の産物ですので、少しずつ会員さんの数が増えてきて、会員様分の数を一度に確保することが難しくなってきたことです。

前回の牡蠣は、一つの産地では賄えず佐渡と新潟山北の2つの産地からお届けしました。今回のアンコウは、市場ではボストン産や中国産も出回ってますが、正真正銘新潟産だけにこだわります。お届けするアンコウの肝(200g)を造るには、相当量のアンコウを確保する必要があります。毎回、漁師さんや魚屋さんに無理をお願いしています。


2011年10月30日

2011.10.30 Sunday

新酒 ヴァン・ムスー

%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%80%80%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%BC%E7%B8%AE%E5%B0%8F.jpg
 マスカット・オブ・アレキサンドリアの新酒で発泡性ワインを造りました。
タンク内でほぼ発酵を終えたワイン(新酒)に糖分を加えて瓶詰しました。あとは祈るのみ。ワインに残存する酵母が糖分を消費して瓶内で発酵することで自然な炭酸ガスが発生しワインに溶け込みます。そのまま無清澄・無濾過の濁り発泡ワインの出来上がりです。

 ベースのワインは贅沢にフリーラン果汁のみで造り、無清澄・無濾過の自然な味わいです。アルコール度数10.6%の辛口。マスカットの香りと泡のハーモニー。

 発泡性ワインにもいろいろな区分があります。良く知られているシャンパーニュ方式など。今回のフェルミエの発泡ワインは、微発泡の所謂“ペティアン”にも近いのですが、フランスの発泡性ワインの総称である「ヴァン・ムスー」と呼ぶことにします。
まだ流動的ですが、次回は糖分を加えずに“メソッド・アンセストラル”で行きましょうか。そして、近い将来、シャンパーニュ方式にもトライしてみましょう。瓶内発酵ワインも楽しみながら造ってみます。

 ちなみに今回の「フェルミエ ヴァン・ムスー」は限定200本、ワイナリーでの直販のみとさせていただきます(Webショップでは販売致しません)。新酒として100本、少し瓶熟成させて夏に100本販売致します。既に店頭販売を開始しております。フェルミエのレストランでもボトル/グラスで提供致します。売り切れ御免!

 尚、マスカット・オブ・アレキサンドリアのスティルワイン(新酒)は、今年も11月中旬にリリース予定です。こちらもお楽しみに。


2011年10月18日

2011.10.18 Tuesday

2011年の仕込み(その5) カベルネ・フラン

CF.jpg
マセラシオン(果皮発酵)期間も終盤に。
残糖も少なくなり、アルコール度数も上がってきます。
カベルネ・フランはアルバリーニョと同じく畑から1年をともにしてきた品種だけに
思い入れは格別です。
カベルネ・フランは今年で3回目の仕込みですが、樹勢も安定し、ワインもカベルネ・フランらしい均整がとれたものになりつつあると思います。
(熟成した重厚な赤ワインも魅力的ですが、)個人的にはこのワインには、この時期のぴちぴちとした、いきいきとした、溌剌とした、躍動感のある、口の中で飛び跳ねるようなそんな「生命力に溢れる」若さをいつまでも持ち合わせてもらいたいと勝手に期待してます。
ワインは本来、自然の賜物で人が作り込むものではありませんが、期待するのは勝手ですから…


2011.10.18 Tuesday

おめでとう

その1
ご結婚され、近く東京の某ホテルで披露宴を開催されるお二人。
ご結婚おめでとうございます!
試食会でお料理とフェルミエのワインの相性をお試しになり、
お二人の門出の舞台でフェルミエのワインを赤・白それぞれ
ご利用いただけることになりました。

その2
わがフェルミエのレストランにお越しになられた団体のお客様。
楽しそうに誕生パーティー。
お誕生日おめでとうございます。
%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%AD.jpg
写真はご用意したバースデーケーキ。
(誤解を招くといけませんのでお断わりしておきます。
私はケーキ作りには一切関わっておりません。念のため。)

フェルミエのワインや空間が幸せの瞬間に立ち会えることに喜び!



2011年10月09日

2011.10.09 Sunday

2011年の仕込み(その4) 

10月8日、9日と連日、赤ワインの仕込みです。
8日はフェルミエの畑のカベルネ・フランを収穫・仕込み。
9日は農家に栽培してもらったカベルネ・ソーヴィニヨンを仕込みました。

20111009CS.jpg
(写真は、除梗破砕したカベルネ・ソーヴィニヨンです。
酸化防止剤の使用量を抑制して良いワインを造るためにドライアイス(炭酸)を活用します。白い煙はドライアイスのガスです。)

今年は両品種とも大変順調に育ちました。が、欲をいうと…
カベルネ・フランは、ぶどうの出来は良いのに、いや、出来が良い故か収穫直前に熟したぶどうの果汁を吸うスズメバチの被害に遭いました。これまでの苦労を思うと、良いぶどうが実っただけにスズメバチが憎いです。春先に女王蜂を退治すると有効とか? 薬は使いたくないですし…。来年は対処しないと。

カベルネ・ソーヴィニヨンも今年は大変良いぶどうを育てていただきました。ぶどう自体は小粒で色づきもよく、健全な状態ですが、「あと1~2週間収穫を待てば更に熟すのに。」という思いです。しかし、農家には農家の事情があり、他の作物の仕事との段取り(例えば、ル・レクチェの収穫スケジュールが押している等)があり、ワイン用ぶどうの収穫を必ずしも最優先してもらえない事情です。なんとかならないかなあ。これほどの出来の年はそうそうないのに…


2011年09月27日

2011.09.27 Tuesday

タンクから爽やかな香りが… マスカット・オブ・アレキサンドリア

 ステンレスタンクでマスカット・オブ・アレキサンドリアが発酵を始めましあた。微発泡で甘みが残る発酵中のワインにも成熟したワインとは違った美味しさがあります。
%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%88%E7%99%BA%E9%85%B5.jpg
(発酵中のマスカット・オブ・アレキサンドリア。発酵中のワインは濁ってます。)

 アルコール発酵の副産物として炭酸が発生します。炭酸ガスはタンク上部の発酵菅から逃がしてやります。タンクの中のマスカットの爽やかな香りをまとった炭酸ガスがタンクの外にでてきます。この品種は本当に香りが良い。
%E7%99%BA%E9%85%B5%E8%8F%85.jpg
(発酵管中の水の中を炭酸ガスの気泡が逃げてゆく様子。わかりますか?)

 発酵時には副産物として熱も放出されます。フェルミエでは、ステンレスタンクの「ジャケット」と呼ばれるタンクを覆う(ステンレス鋼板を溶接して2層になっている)部分に冷媒(と言っても簡易な冷却器で冷やした水道水ですが)を循環させ、タンク内のワインを温度調節し15℃で低温発酵する環境を作ります。これにより、熱により風味が損なわれることを防ぎ、香りを最大限引き出します。
15%E2%84%83.jpg
(タンク内のワインの温度を示す温度計)

 この時期のワイナリー見学もおすすめです。
 「マスカット・オブ・アレキサンドリア2011 新酒」は順調に行けば11月中旬リリース予定です。


2011年09月25日

2011.09.25 Sunday

2011年の仕込み(その3) マスカット・オブ・アレキサンドリア

 9月22日。台風15号の影響で岡山から少し遅れてぶどうを乗せたトラックが到着しました。蔵の中にマスカットの入ったコンテナを持ち込んでしばらくすると、この品種の香りがあっという間に充満してきます。マスカット臭?、いや麝香臭? 「そうそうこの香り、去年もこんな感じだった。」思わず1年前の記憶を呼び戻すほど強い香りのインパクト。
 台風の影響で岡山からの輸送は困難を極めましたが、ガラスハウス栽培のぶどうですのでぶどうそのものは至って健全です。価格が高いのが厳しいところですが…
 日本では食用に供されるこの品種、ルーツはエジプト。学術的にはヴィニフェラに属するそうです。古くは、エジプトとヨーロッパの交易で取引され、クレオパトラにも重用されたぶどうらしいです。

 この品種のワインは、絶対的な香りの個性が存在感を際立たせますが、大粒の品種ですので、造り手泣かせの面もあります。

1.いつも小粒品種の仕込みに使用しているプレス機は目詰まりを起こす懸念もあり
  うまくプレスできない可能性がある
2.大粒で果肉部分がが多いことからタンパク質が多く、澱下げが困難だったり、
  瓶詰後、ワインがタンパク混濁する可能性が高い。

  2の問題を解決するために、この種のワインを製造する際には、ベントナイトなど
  の澱下げの吸着剤を多めに使用したり、濾過の方法や回数を増やしたりすることが
  一般的には多いようです。

フェルミエでは、昨年、圧搾しない造りを行う(フリーラン果汁のみでワインを造る)ことでこの2つの問題を解決できないかと考えトライしました。結果は、1は問題ありませんでした。2は、フリーラン果汁のみを使用しても、仕込んで半年を経過した頃からタンパク混濁してきました。

昨年の経験を踏まえ、今年はどんな造りにチャレンジしませうか?
極力、自然な造りを行いたいので、フェルミエの他のワインと同様、自然(重力のみにまかせた)な澱引きと、濾紙を使用した最低限の濾過にとどめます。今年もタンパク混濁するかもしれませんが、それも自然なものですから「良し」とします。それがフェルミエのワインです。

頭が痛いのは、マスカット・オブ・アレキサンドリアはぶどうの価格が高い上に、フリーラン果汁しか使用しないことで、恐ろしく原価が高いワインになってしまうことです。
%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%88%E4%BF%AE%E6%AD%A3.jpg

(写真は1年前のマスカット・オブ・アレキサンドリア)


2011.09.25 Sunday

シャルドネ 樽発酵

%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%8D%E6%A8%BD%E7%99%BA%E9%85%B5%E4%B8%AD.jpg

樽の中で発酵してます。発酵温度は18~22℃。順調です。
発酵開始時期や発酵温度がそれぞれの酵母特性によって異なります。
勿論、発酵後のワインの味わいも微妙に違ってきます。
この時期、五感を駆使して発酵の様子を見守ります。
香り、温度、気泡の様子のほか、ガス圧、音、味…


2011年09月22日

2011.09.22 Thursday

2011年の仕込み(その2) シャルドネ

 9月18日(日)、新潟市南区白根地区の農家に栽培していただいたシャルドネを仕込みました。

 台風15号の影響で新潟も19日から22日頃まで雨模様の天気予報。急遽、収穫を前倒しました。それでも糖度は21度。天候を考慮すればこの日の収穫は納得。良いぶどうをいただき感謝です。嬉しいです。

 フェルミエのシャルドネは、2008年から樽発酵仕込みです。ステンレスタンクで一晩、果汁清澄(デブルバージュ)し、冷却します。翌日、15℃の果汁を樽に移して酵母を添加します。樽発酵は温度管理など扱いが難しい面もありますが、ワインそのものも樽のニュアンスや厚みのバランスがこなれ、柔らかく仕上がるような気がします(あくまでも、これは個人的な感じ方です)。

 造り手としてはそれ以上に、樽毎に条件を変えて仕込むことができるのでわくわくして楽しいのです。今回も6樽全て異なる「フェルミエ シャルドネ 2011」が出来る予定です。発酵が一段落してからも澱引きせず攪拌してやります(シュール・リー)。澱引きの時期はそれぞれの樽のワインと相談して決めます。ブレンドするかどうかは、最後の最後に決めます。

2011Ch%E6%A8%BD%E7%99%BA%E9%85%B520%25.jpg
(酵母を投入し発酵を待つ樽。この6樽で発酵させます。全てフレンチオークの樽ですが、樽にも6種類のバリエーションがあります)